12月の特集
インボイス制度といっても具体的に「レシート」や「領収書」はどうなる?
- その請求書の名称を問わず、一定の事項が記入されていれば、レシートだろうが領収書だろうがインボイスとして認めるという事です。小売業、飲食店業、写真業、旅行業、タクシー業、駐車場業のように顧客が不特定多数の場合は、簡易のインボイスを発行する事となります。その簡易とは、一定の記載事項の内で宛名を省略している分です。
- では、手書きの領収書を渡している場合はどうでしょう?現在、使っている領収書に「税率ごとに区分して消費税額等または適用税率」を記載し、ゴム印でも可なので、「事業者登録番号」を追加記入してあれば通用します。
- コインランドリーとか自動販売機・コインロッカーの場合はどうなるかと言うと、機械装置で商品の販売やサービスの提供をやりとりするが、金額が3万円未満のものであれば、インボイス(または簡易インボイス)がなくてもOKです。従って、買手はインボイスの保存義務は免除されています。
- スーパーに設置されているセルフレジや、飲食店に設置されている自動券売機はどうなるか?これは金のやり取りとか食券類の発行のみなので、上記のような物の販売やサービスの提供ではないので、インボイス発行が必要となります。
- 値引とか返品があったらどうするかですが、返金の場合は「適格返還請求書」(返還インボイス)を発行することになります。
- では、インボイスの記載内容に誤りがあった場合は、全て作り直しとなります。以前との関連性を明らかにしておく必要はありますが、現在の区分記載請求書等保存方式では、いわゆる追記が許されていましたが、インボイス方式ではそれは不可です。
年末調整申告書について!
- 給料収入が2,000万円超といわゆる日雇労働者を除いて以下の資料を集める事です。
- 基礎控除申告書
- 配偶者控除等申告書 兼用となっている
- 所得金額調整控除申告書
- 保険料控除申告書
- 住宅借入金等特別控除申告書
- 扶養控除等申告書
1.について
「本年中の合計所得金額の見積額の計算」のところは、1月~11月まで実額で、12月の給与と賞与の支給額を見積もって合計します。収入金額が定まったら「給与所得の金額の計算方法」から所得を求めます。他の所得があればそれも含めて合計所得金額を見積します。この数字を基にして基礎控除額を算定します。
2.について
納税者に配偶者がいる場合に使います。もっとも、納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えていると使えません。配偶者の合計所得金額は上記と同じ方法で見積もります。ここで大事な事は、配偶者の「合計所得金額」が48万円を超えると配偶者控除が、133万円を超えると配偶者特別控除が使えなくなる事に注意してください。
3.について
給料収入が850万円超の人で、以下の要件のいずれかに該当していればこの申告書を提出してください。
<要件>
① 納税者本人が特別障害者
② 同一生計配偶者が特別障害者
③ 扶養親族が特別障害者
④扶養親族が年齢23歳未満(平成11年1月2日以後生まれ)
尚、給料収入金額が定まっていない時も提出してください。
4.について
この時期(10月・11月頃)になると生命保険会社から控除証明書がきますので、保存をしておいてください。尚、契約者名が親族名になっていても本人(納税者)が保険料を負担していれば使えます。剰余金とか割戻金を受けてる場合は支払った保険料から控除してください。
5.について
この控除は、適用2年目から年末調整で使えます。添付資料を忘れずにしてください。以下に表示します。
・年末調整用の住宅借入金等特別控除証明書(税務署長が発行)
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(金融機関等が発行)
6.について
この申告書は、令和3年分の年初に提出されているので、所得の見積額、扶養親族の異動(結婚、出産、家族の就職、離婚、死別)等について、内容確認をします。特に、子供のアルバイト収入がよく漏れていますので確認をしてください。結構、調査で見つかっています。
給与計算のデジタル化を進めていきましょう
- 給料計算は毎月定例化しているとは言え、勤務状況の把握、給料計算、源泉税計算、社会保険料計算、振込確認等、やる事がかなりあります。これを手計算となると大変で労力を費やします。デジタル化する事によって、人件費の管理(推移、労働分配率、残業手当等)働き方改革(残業時間の削減、有給休暇取得等)など、経営管理に役立ちます。是非、デジタル化を勧めます。
11月の特集
インボイスの記載事項と保存の留意点
- インボイス制度の導入が令和5年10月から始まり、それに先駆け令和3年10月から適格請求書発行事業者の登録受付が始まります。
- 今までとどこが違うのか?現在の区分記載請求書の記載事項に「登録番号」「適用税率」「税率ごとに区分した消費税額等」の記載が増えます。この適格請求書発行事業者の登録が令和3年10月から開始となります。即ち、請求書・納品者・領収書・レシートをインボイスといい、そこに登録番号が付されるのです。
- では、例えば納品書に取引年月日、取引内容を記載し、請求書に1ヶ月分の取引に係る納品書番号を記載の上、登録番号・税率ごとに区分した対価の額及び適用税率を記載することで2つの書類で記載事項を満たすこともOKとなっています。
- もちろん、インボイス発行と同時に帳簿にも①課税仕入先の氏名又は名称、②取引年月日、③取引内容(軽減税率対象品目である旨)、④取引金額の記載は従前通りであります。
月次決算の重要性について
- 特にコロナ禍では、月次決算は極めて重要となります。景気全体が落ち込み傾向にあり月単位での損益把握が重要となります。
― すなわち ―
① 毎月の業績を早く正確に把握
② 資金繰りの見直しを把握
③ 期末に向けた着地点の予想
④ 金融機関への資料提出がスムーズ
- コロナ禍にて本当に何が利益を出しているのか、経費は何が増えているのか、月単位での現状把握が必要であり、それに対し即、手が打てるようにするには是非とも月次決算が必要となります。
- そんな状況下、倒産防止共済と小規模企業共済は資金繰りの点で有効な手段の取れる共済金です。即ち、既存の掛金累計から一時貸付も受ける事ができます。節税商品として、この2つは有力でしたが、今回のコロナ禍でも資金繰りの一手段としても力を発揮します。
パート・アルバイトの扶養の範囲を確認しよう
- パートで働く人は給料収入103万円までですと、妻本人には所得税がかからず、夫で配偶者控除が使えます。但し、所得制限があり、夫の給料収入が1,195万円を超えると、配偶者控除は使えません。また、妻の年齢が70才以上では配偶者控除額が増額されます。但し、妻の収入が100万円を超えると住民税はかかってきます。
- 妻が103万円超えでも、150万円までは配偶者特別控除が受けられます。これですと夫の給料収入が1,095万円以下の場合、妻の収入が150万円以下であれば、満額の38万円の控除が受けられます。
- 妻の収入が150万円を超えると、段階的に控除額が減っていき6万円以上になると控除はストップとなります。また、夫の収入も1,095万円以下、1,145万円以下、1,195万円以下と3つに分かれ、収入が多い程控除額が減り、1,195万円を超えると配偶者特別控除はストップとなります。
- 社会保険も妻の給料収入が130万円以上になると夫の社会保険の扶養からはずれます。妻は自分で社会保険の加入となります。また、給料収入106万円の壁というものがあり、以下の条件ですと夫の社会保険の扶養からはずれます。
・従業員501人以上の事業所
・勤務時間が週20時間以上
・月額賃金が8.8万円以上(年間105.6万円以上)
・勤務時間が1年以上
・学生でないこと
- このケースは、大企業でパートをしている場合を想定しています。
- 妻の給料収入を前提に話を進めていきますが、仮に他に所得があり、一時所得、雑所得があり、単一の給料収入103万円だけでみていると、俗に言う103万円の壁を超える場合があるので要注意です。
10月の特集
銀行に行かないで納付する時代
- 給料計算ひとつとっても、出勤日数・源泉税・社会保険料・労働保険・有休の有無・現物給与の有無、そして扶養の有無の各々の確認等、やる事が多すぎます。少子高齢化の時代、省力化を考えなければ金と時間ばかしかかってしまいます。いわゆるソフトでここに全て全情報をデータとして落とし込んでいかなければ、事業体として生き残っていけません。このコロナ禍をチャンスと捉え即実行してください。それは、納税についても言えます。銀行に行かなくても、いわゆるPCから納付できます。社会保険申請、年末調整も同じく電子申請をするようにしてください。
就業規則に定年の定めは⁈
- 日本国は高齢化がどんどん進んでおり、60才、65才、70才でもピンピン働いております。しかし、中小企業はいわゆる定年の定めもしていないところが多く、いつまで働けるのか定めていないところも多い。本年4月、70才まで就業機会の確保の努力義務を課す改正高齢者雇用安定法が施行されました。そして65才まで雇用を確保する措置の導入が義務づけられました。速やかに就業規則に定年の定めをし、雇用者側の安定の確保をしてください。高齢者雇用安定法では60才未満の定年は禁止となっており、さらに定年を65才未満に定めている場合は次のいずれかの高齢者の雇用を確保する措置を導入し、希望者は定年後も65才まで継続雇用する事が義務づけられています。
【雇用確保措置】
① 65才までの定年引上げ
② 定年制の廃止
③ 65才までの継続雇用制度の導入 です
- 再雇用制度もあります。例えば、定年60才として定年に達した従業員を一度退職させた後再雇用させる制度です。再雇用を希望する従業員は必ず雇用する事が原則です。地位は契約社員、嘱託、パートタイマーいずれも可能です。この際は必ず雇用契約書を交わしてください。
経営環境の激変を乗り越えるすべを研究
① 市場浸透戦略
② 新製品開発戦略
③ 新市場開拓戦略
①について
既存の今ある商品を更にグレードアップないしは、姿・形を変更するとかして既存のお客に更に売る方法です。
②について
新しい商品を既存の顧客に売る方法です。そのためにはやはり既存の顧客のお目がねに合わないといけません。そこで、ここでは本当は顧客は何を求めているのかをじっくり検討し、又ヒアリング等をしてニーズの絞り込みが必要です。
③について
今ある商品やサービスを新しい客層に売る方法です。新しい客層は何を欲しがっているのか?何を要求しているのか?探りを入れ、例えば業務用から家庭向け、作業用から愛好家向け、大人用から子供向け、一般用から介護用等々いくらでもバリエーションはあります。
お客の不満、改善点、苦情等から商品上の多くのヒントが得られます。そこからお客に受ける新商品を見つけ出す事もできます。大いに気配り目配りをしてみてください。
9月の特集
コロナ禍で借金返済が困難になった時はどうする?
●借金を返済してて、いきなり返せなくなったと銀行に連絡しても銀行はすぐには動けません。では、どうすれば良いかとの事ですが、まずなるべく早めに連絡をする事です。そして、具体的には当面利息だけの払いにするか、返済期限そのものを延長するかどうかです。
●現実的には、一旦支払いを止めるのがよいのだが、中々それもスムーズにはいかないので、次善の策で支払期限の延長となります。後は借入金をなるべく一本化しておくことも次善の策としてあります。
●いずれにせよ、あらかじめ予想資金繰り表を作成し、可能な限り早めに金融機関に連絡を入れる事が全ての始まりとなります。そして、日頃から経営計画表なり行動計画表、あるいは予想資金繰り表を常に作成し、資金ショートにならないよう常に経営チェックをしていく必要があります。
社長の頭の中をまる見えにしよう
コロナ禍で経営が思わしくない、行き詰ってきている中小企業が増加傾向にあります。何とかせねばとの思いは募るのみで手を打たなければ倒産が見えてきます。
ここは実際に何が出来るのかあるいは何がビジネスとして成り立つのかをまず書き出す必要があります。そして、正に事業計画書を作成し、具体的な目標設定をする事です。政府も「ポストコロナ持続的発展計画事業」なる助成金制度があります。
その費用の2/3(上限20万円)ですが、助成金を受けるのも一つの方法です。更に、事業再構築補助金なるものもありますので、活用してみたらいかがでしょうか。
ふるさと納税について
要は、自分の住んでいるところに払う住民税を他の市区町村へ支払先を替えるとの事になります。
そして資金の流れからすると、所得計算し2,000円負担でいわゆる持ち出しとならない金額まで寄付をする事が出来ます。それは所得に拠ります。
例えば、仮に1万円が限度として寄付して2,000円差し引いたところの8,000円分が所得税と住民税が安く(?)なり、差し引き持ち出し2,000円で済むということです。御礼品はおまけということです。
8月の特集
電子化された時代の領収書や契約書は印紙税が課されるのかどうか?
●印紙税が課税される文書は、印紙税法で決められており、逆に決められていない文書は印紙税の対象外となります。記載金額が5万円未満の領収書等は課税対象外となっています。また、課税文書に該当するかどうかはその書類の内容で判断します。従って、名称が契約書となっていなくても内実がそうであれば、契約書であれば課税文書となります。
●世間では、契約書のコピーを取って原本は1枚だけという場合があります。確かにコピーは原本の複写だとの事で対象外ではあるとしても、原本のコピーだが契約当事者の署名押印のあるものとか、原本に相違ないとの契約当事者の証明があれば課税文書となります。
●印紙税は、紙の文書に課税されます。では、PDF等で電子化された領収証を電子メールで得意先へ送信した場合はどうかというと、あくまでも紙でないため課税対象外です。但し、電子メール後、改めて紙に印刷して送る場合は課税対象となります。
●では、PDF化された領収書などを保管のため印刷したらどうなるのか?PDFデータの領収書や契約書等を保管のため紙に印刷しても課税の対象外です。
●電子マネー決済が行われた際に発行する紙の領収書は課税対象です。クレジットカード決済時に発行する領収書は金銭の受領ではないため、クレジット利用を条件に課税対象外となります。
●よく領収書と別に明細書を貰うが、金銭の受取事実を証明するものとして、各々金額5万円以上であれば課税対象です。
●また、課税文書であるにもかかわらず、貼り忘れ、もしくは消印もれの時はペナルティがあり、原則として税額の3倍もしくは1倍の過怠税が徴収されますので念のため。
限界利益率の改善と固定費削減を考える!
●利益を上げるにはどうすればよいか。売上を増やし、同時にコストを削減する、そのせめぎあいで結果として多くの利益を生みだす事ができます。具体的には売上単価のアップ、変動費率のダウンが考えられます。
●では、顧客の欲しがるもの、サービスを提供すればよいのですが、何が顧客の望むものなのかは思い悩むところです。顧客ニーズに合致すれば単価のアップ。正に、変動比率のダウンを図り、限界利益率(売上-変動費)のアップを考えるのです。
●従って、何が売れ筋商品かのさぐりを入れるため、何通りかの商品をそろえ、そしてそれを商品別に限界利益率を調べ、売れ筋商品を見つけ出し、それに集中していく事が必要であります。その過程で固定費の削減を図る事が重要になります。
~見直しの例として~
・保険料の見直し
・不要な固定資産の売却・処分による維持管理費や固定資産税の削減
・家賃の削減
・売上と直接つながりのない旅費交通費等の削減
・水道光熱費の削減
・人件費の見直し
●人件費の見直しだが、いきなり賃金カットは出来ないので、無理・無駄・ムラの労働環境でないかどうか。要は残業が多すぎないかどうかの吟味は絶対に必要である。もちろん経営のバランスのとれたところの役員報酬である事は当然として。いずれにせよ、経営計画をたて、自分の経営マインドを体系化し、スケジュール化することによって、物事のメリハリができ、意識化させる事になるので実現可能性は何もないよりあると考えられます。
●まず、売上・仕入につき、発生主義に基づいて記帳し、日時・売掛・買掛・経費等も記帳します。それをあたかも決算の如く月単位で締めていく。同時在庫も月単位で計上します。このように記帳していくと、いくら金が入ってきていくら金を払ったのかが月単位でわかります。そして、在庫も月単位で調べているので翌月以降足りるのか足りないのかが分かり、同時仕入が多いのか少ないのかも分かる事になります。当然、売掛の残も月単位で把握しているので、翌月以降、資金不足が生じるのかどうかも分かります。
要は、適時適正に経理処理をしていると何が足りて何が足りないのか、そして同時に近未来(当年度)の資金繰りをも見通せる事になります。
●では、個別に在庫調べですが、実地棚卸が月単位で困難との事であれば、原価率を使って概算在庫金額を算出する事ができます。商品別にさほど原価率に変化がないとすれば、月末の在庫の求め方として以下の式を使ってもらえば良いです。
①当月売上高に原価率を掛けて、当月の売上原価を求める
【当月売上高×原価率=売上原価】
②月初在庫と当月仕入高の合計から、売上原価を控除して月末在庫を求める
【月初在庫+当月仕入高-売上原価=月末在庫】
これで、概算値が出るとしても時折実在庫は必要です。
●より精度の高い月次決算をするには、必ず年単位で発生する経費がありますので、その分を入れればより正確になります。以下に例を列挙します。
- 減価償却費
- 労働保険料、損害保険料など年払いのもの
- 年間保守契約料
- 固定資産税
- 賞与の年間見積額
ただし、本決算の時は上記分はあくまで見積なので、改めて一旦取消して、役務提供されたものの吟味をし、改めて費用収益対応の原則に合致したものかどうかを是非吟味してください。役務提供されていないにもかかわらず、未払計上のままですと税務否認をされますので要注意です。
●最後に、月次決算をした月次決算書を金融機関に提出しますと、金融機関からの評価も違ってきます。
7月の特集
経理業務の基本中の基本とは
- 経理とは日々経済事象が発生する度別に、仕訳という方法でもって取引事象1つ々を財産・損益状況を明らかにする科目を付す事にあります。例えば、売上の請求書があるとすれば、売掛金/売上××と表現し、回収となれば現預金/売掛金××となり、仕入であれば、仕入/買掛金××となります。この中で売上に関し、あらかじめ入金(予定)日が解れば、そして仕入に関してもあらかじめ出金(予定)日が解れば(予想)資金繰り表も出来、先々の資金の流れも解ります。
- 取引の発生した度ごとに損益を計上し、同時に資産・負債状況を月単位で把握する事が是非必要であります。これをする事に拠って、生の数字がリアルタイムで把握できるので、計画・実践・検証・改善のサイクルに繋げる事が出来、常に改善策が捻出できます。強いては税務対策も出来るというものです。
コロナ禍は経済界に何の変化を与えたか
- 商売とは、人と会ってなんぼのものであり、それが阻害された事による弊害は図りしれないものがあります。ところが、いざ蓋を開けてみると、存外落ち込んでいない業種・商売もある事に気がつき始めました。いわゆる「巣ごもり需要」です。当初、だれも想像していなかった現象が生じています。例えば、パソコン需要が逼迫したのがよい例です。労働環境も激変してきて、いわゆる社内での業務が減り、自宅勤務等会社外で働くケースが増えた事による人件費コストにも繋がるケースが増えてきました。しかし、新たな問題も発生しています。
- 在宅勤務による情報漏洩の問題です。難しいテーマでありますが、現実に発生しています。運用面で情報漏れ防止用のソフト購入も視野に入れていかねばなりません。
- 今回、国は助成金の言わば垂れ流し状態で急場しのぎをしたが、あらゆる企業を延命しても社会全体でみればゾンビ会社を残す等、新陳代謝を阻害する事にもなりかねません。やはり、自力更生で積極的に新しい業種の挑戦か、もしくは既存の商売でも消費者への更なるニーズ(深掘りしたところ)の開拓が望まれるところです。
黒字化するにはどうすれば良いか
- いわゆる固定費以下の売上金額しかなければ会社の首は回らないのは当然として、固定費・変動費をカバーしたところの売上を確保せねばなりません。また、黒字倒産と言われるように、売掛金/売上××が多額にあっても回収されていなければ何の意味もないので資金収支のバランスを常に注意する必要があります。いわゆる損益と資金収支は全く別だとの認識を強く持つ必要があります。
6月の特集
限界利益が固定費を上回っていませんか?
- まず、限界利益って何?についてですが、売上が1単位増えた時に増える利益です。まだわかりません。要するに、仕入に対し利益を上乗せすることで、ほぼ粗利益と同じと考えてよいでしょう。
- 次に、経費を変動費と固定費に分けます。これは、売上の増減によって変動する経費を変動費として、売上が増減してもビクともしないのを固定費と言います。これらを使い分ける事によって、どれだけ付加価値が発生したかを観ます。即ち、売上一変動費=限界利益。この限界利益を上回るような固定費があると、基本的に経営は成り立たない事になります。
- これを把かむ事によって、会社の経営体質を知る事が何よりも必要です。今はコロナ禍前の状態にはなりません。基本的には社会の行動パターンが変化してしまい、それに合わせた商行動をせねばならなくなっています。その中での採算の取り方を考えなければなりません。
追加融資と借入金返済への備えについて
- 現在はコロナで大騒ぎしており商売どころではなくなっています。しかし、事業体は生きていく限り資金は必要とします。国もカンフル注射の如く、ほぼ無償で資金を貸しています。貸してる事は返済して貰う事が前提です。
- そのためには、事業体も返済を出来るべく資金管理(資金繰り表、経営計画、月次試算表)をせねばなりません。これをしっかりと作成し、返済のメドを立てなければなりません。でなければ、たちどころに資金枯渇に合い、見えてくるのは倒産の2文字です。
- ちなみに、日本政策金融公庫から融資制度として、新型コロナウイルス感染症特例貸付があります。条件として、最近1ヶ月間等の売上又は過去6ヶ月平均売上で前3年のいずれかの年の同期と比較して5%以上減少してる事、中小企業事業用に6億円、国民生活事業で8,000万円有り、運転資金15年以内/設備資金20年以内、うち措置期間5年以内というものがあります。尚、金利は当初3年間は基準金利から-9%/4年目以降は基準金利-0.9%の利下げが限度額です。
押印のない契約書、証憑書類は有効か?
- 押印がなくても、その契約書は法的に有効です。但し、だれが契約書の作成者かが立証できるようにしておく必要はあります。印は不要となったが、文書がデジタル化が普及すれば電子署名や電子認証をサービスなどの活用が進むと思います。
- また、税務申告書は最後責任者は代表取締役となっています。拠って、内容を社長が確認したとの事を明確にしておく必要があります。
5月の特集
第3次補正予算による中小企業支援策を使おう
イ)事業再構築補助金の創設~即ち新分野展開や業態転換等を支援
コロナ禍によって、現在の業種が成り立たなくなっている場合、思いきって新事業展開・業種転換・事業変更・事業再編等をしようとするのであれば、国が最大1億円補助しますよとの制度です。
~条件として~
●申請前の直近6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高がコロナ禍以前(2019年または2020年1月~3月)の同3ヶ月の合計売上高と比し10%以上減少している事。
●税理士等の認定経営革新等支援機関と事業再構築の係る事業計画を策定すること。
●補助事業終了後3~5年で付加価値額、または従業員1人当り付加価値の年率平均0%以上増加の達成を事業計画に折り込む事。
上記に加え、緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出、移動の自粛等の影響によって令和3年1月~3月のいずれかの売上高の対前年同月比で30%以上減少していれば特別枠が別にあります。
ロ)一時支援金の支給~緊急事態宣言の影響を受けた事業者が対象
令和3年1月の緊急事態宣言によって売上が減少した中堅・中小企業者に対して一時支援金が支給されます。対象は次の①と②に該当する事業者です。申請時認定経営革新等支援機関、税理士業の事前確認が必要です。(受付は令和3年5月31日までです)
①この宣言発令地域の飲食店と直接・間接の取引がある事業者等
②この宣言発令地域で移動の自粛で直接影響のあった旅館、土産物屋、観光施設、タクシー等の事業者等
~条件として~
●令和3年1月~3月のいづれかの月の売上が前年対比(又は前々年対比)50%以上減少している事
●法人:上限60万円、個人事業者:上限30万円
~算定方法~
●直前年または前々年の対象期間の合計売上-令和3年の対象月の売上×3ヶ月
~対象期間~
●1月~3月
~対象月~
●1月~3月のうちの任意の月でよい
ハ)ものづくり、持続化、IT導入補助金の新特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)への改編
ニ)新たな融資・保証制度の創設
(事業転換・イノベーション・経営改善を支援)
新事業や事業転換等、生産性向上に役立つ前向きな設備投資は、当初2年間は、金利0.5%引き下げます。
確認したいコロナ禍に関連した税制の注意事項
●令和2年4月30日成立・施行された新型コロナ税特法は、令和3年2月1日で終了となりました。即ち、納税の猶予制度の特例の分です。令和3年2月2日からは、通常の納税の猶予制度を使う事になります。これは、収入が減少し国税が一時に納付できない場合、税務署への申請で、最大1年間の分割納付ができ、猶予期間中の延滞税が軽減となります。
<条件有り>
イ)一時の納税で、事業継続、生活の維持が困難となる恐れ有の時
ロ)納税に対する誠実な意思がある事
ハ)猶予を受けようとする国税以外の延納のない事
ニ)納期限から6ヶ月以内の申請であること
となっています。
●テレワークする従業員に在宅勤務手当やパソコン等支給する時の注意点
在宅時、事務用品費を支給したり、従業員が負担した通信費・電気料金について、実費相当分の精算があれば課税とならないが、渡切りでの在宅勤務手当は課税となります。従業員が負担した通信費・電気料金について、基本使用料やインターネット接続料、電気使用量、在宅勤務日数、自宅の床面積等をもとに、一定の算式で実費相当額を算定します。パソコン支給は所有権が従業員に移転するので給与として課税、貸与の場合は、もちろん非課税となります。
●助成金を受給した時の収益の計上時期に注意
助成金・補助金は法人税、所得税共に課税(消費税は別)問題は収益計上時期です。支給決定があった日の属する事業年度とはなりますが、雇用調整助成金は注意が必要です。まず、通常は休業を実施した事業年度に受け取る予定の金額を見積もって収益計上とします。特例は支給決定を受けた事業年度に収益計上です。要は、支給決定を受けなくても通常は見積り計上せよとの事です。
帳簿はなぜ必要か⁈
令和3年度税制改正で電子帳簿等保存法の要件が見直され、帳簿書類の電子保存が更に一層進むと思われます。
●帳簿の電子保存と言っても、要は帳簿の保存を電子にするだけで、帳簿としての正確度が達成していなければ何の意味もありません。要は、5W1Hが明確に記入されなければならないのです。
●保存の件でいくと、商法、会社法では、帳簿保存は10年。法人税法、所得税法は7年となっています。青色申告法人は欠損金の控除を受ける時は10年保存。消費税では7年となっています。納税者としては個別に保存は出来ないので、1つ決めて実行するのが現実的と思います。即ち、10年と言う事になるでしょうか。
●帳簿の整理・保存としては、記帳は5W1Hを実行する事と、原資料の保存はまず大きく分け、売上・仕入・経費・その他として分類し、時系列的・相手先別にファイルする事が望ましいです。特に税金関係は別ファイルにすると良いと思います。そして、データ入力する度に各資料に入力番号(証憑番号)を付しておくと、会計データと原資料との結びつきがスムーズになり、調査時もたやすく開示する事が出来ます。保存の仕方も各事業年度別に保存箱に入れる事が大事です。
●会計原資料もスキャナによる電子保存が可能ですので、上記と同じ発想での方法が望ましいです。
4月の特集
現金管理について
まずもって、現金管理は誠にむずかしいです。なぜなら、跡づけるものが何もなく、預金通帳のようなものもありません。となると厄介です。
では、どうすれば良いか?まずは金銭出納帳を取引の発生するたびごとに記入をしっかりする事です。
ここで肝心な事は、本来、日付単位で金種表を作成する事が、現金簿上極めて重要なポイントとして挙げられる。
この金種表が唯一現金管理上重要な要素を占めている。この金種表がある事に拠って、初めて現金管理はある意味完成したと言える。
では一層の事、現金をなくしてしまえばどうなるのであろう?これも一理有りと考えます。
小口現金a/c関係は、使う人が一時立替をし、1週間か2.3日の周期で預金にて精算する方法です。
これであれば、一切事業所は現金を持つ必要がない。零細企業はこれが多い。要は、一切現金を扱わない。これであれば不一致等の言葉すら出てこないです。
筋肉質で効率のよい会社とは
流動資産と流動負債は言わばセットになっており、比率としては流動資産が150ならば、少なくとも流動負債は100程度が望ましい。
ビジネスをする上で、資金化される資産が十分にないと正にビジネスする上で必要な支払いが十分に行なわれず、通常のビジネスでの運転資金も日常的に借り入れせざるを得なくなります。正に衰退の始まりと言えます。
次に、企業全体からみて、自己資本の充実が検討されねばならない。すなわち企業全体から観た場合、資金を全面的に借入れだとすると、常に資金コストと返済に追われ、まともにビジネスに打ち込めなくなる。資金返済のみに企業の経営パワーが使われ、発展していく余地がなくなる。
即ち、返済の発生しない自己資本の充実が呼ばれる。もちろん100%は無理なので、自己資本比率を高める必要がある。65%程度が望ましいと言われています。
資金調達の方法について
何も銀行から借りるだけが資金調達ではない。例えば、商売上で仕事を請負った場合、前金で売上分の一部を貰うのも十分に資金調達と言えます。
~例として~
- 不動産売買の手付金
- 映画、演劇、コンサートの前売券
- 旅行代金の予約金・申込金
- 商品券・ギフト券、コーヒーチケット等
又、中小企業であれば生保などのように生保掛金内での借入れも可能です。最近は、クラウドファンディングというものがあり、要はネットを利用して資金集めをする方法です。
ネットを通じて対応は種々で「寄附型」「商品・サービス購入等」「貸付(融資)型」「投資型」と大きく分かれます。
このメリットは、ビジネスを始める前に事前に情報発信するので、事前に反響がわかる。顧客情報が手に入る。逆に事前に顧客開発ができる等メリットは確かにあるが、ネットで出すので直ちに模倣される覚悟は必要です。
3月の特集
経理業務の基本について
簿記とは、経済取引を借方要素と貸方要素とに分けて各々科目(現経済取引内容を表わすもの)を付し、各々金額を入れる事によって経済事象を図式化する方法です。
これを駆使する事に拠って、会社の財産状態、損益状況を表すものです。
・この業務をしている際、いわゆる仕訳を起票している時に、後で誤りである事が発見される場合があります。
その際、過去の誤りを全て消去してしまって全く新しい仕訳を入れるという事は何故誤りであったかを検証するために過去の分も残しておかないと正しく経済事象を表現できないので、過去の分も残す事になっています。
でなければ、経済事象を正しく表現した事にはならないので、簿記の世界では修正訂正は重要な意味を持っています。
・簿記の世界で直し方にも一定のルールがあります。
・文字は誤り部分だけの直しですが、数字の場合は一連の数字全部を直します。
・一行全部取消は、誤記部分を複線で朱記して右端に空行の文字を記す。
・数字・文字の直しは、インク消やナイフ、貼紙等を用いての原記入の消去は御法度です。
即ち、決算書は仕訳をまとめたものであり、これが結局法人税額計算へと結がっていきます。そしてきちんと仕訳が出来ていないと法人税法にも影響を及ぼす事になります。
財務体質の良い会社にするには
・B/S上でみるに、大きく資産・負債(他人資本)・純資産の3つから成り立っています。
個別に見るに流動資産の売掛金について言えば、在庫→売上→売掛金回収との流れがあります。これの回転がよければ資金効率がよいと言えます。
棚卸資産も同じ事が言えます。逆に回転率が悪いと不良債権とか、不良在庫が発生していると言えます。
固定資産について言うに、過剰な固定資産投資をするといわゆる資金不足が生じ、最悪、倒産に至ります。
このようにみていくと、その業界にとって望ましい経営指標を目指して経営をしていく事が結局のところ財務体質強化に結がっていきます。
3ヶ月ごとの業績総括をしよう
・中小企業は、売上をどうやってあげようかと、それこそ経営者は毎日考えています。実際のところ、現実問題として俗に言う4半期決算を行うことは正直無理だし、3ヶ月で数字を出して、改善策を見つけ、それに対しplan do seeをしたとしても、正直限界があると思います。
では何もしていかなければ自滅あるのみとなってしまうのですが、少なくとも売れ筋商品は何か、上得意のお客様はだれか、の吟味はする必要があります。
そして無理・ムラ・ムダ(要するに効率的でない)なものを見つけ出す必要もあります。それに対処すべく3ヶ月単位の現状把握は絶対に必要になります。そして、少しでも改善策を見つけ出さねばなりません。
コロナ禍の世の中の状況下、刻々と変化しているので、それに対して手を打たねばならず、またタイミングも早ければ早い程良いのです。
2月の特集
令和2年度分の個人確定申告はココを気をつけよう!
●未だコロナ禍は終焉には程遠い状況であるにもかかわらず、毎年の事ですが、また個人確定申告の時期がまいりました。コロナ禍真っ最中なので、今年の個人確定申告はなしと言う事はもちもんないでしょうが…。
●個人確定申告の対象者は皆様承知の事と思いますが、以下の人たちです。
イ. 個人事業主
ロ. 不動産オーナーの人
ハ. 不動産の売却益が出た人
ニ. 同族会社の役員等で会社から給料以外に貸付金利子とか、不動産の賃貸収入を貰っている人
ホ. 給料の年間収入が2,000万円を超えている人
へ. 2ヶ所以上から給料を貰っている人
ト. 給与所得あるいは退職所得以外の合計所得金額が20万円を超えている人
チ. 生命保険の一時金、損害保険の満期保険金、懸賞の賞金品、当選金品のある人(確定申告が不要な場合も有り)
リ. 一定額の公的年金を受け取っている人
ヌ. 雑損控除、医療費控除、寄附金控除の適用を受ける人
●令和2年度の個人確定申告で特に注意する個所ですが、令和年度の前半でコロナ対応の事で矢継ぎ早に給付金等が支給されました。具体的には「持続化給付金」「家賃支援給付金」「雇用調整助成金」です。これらは、事業に関わるものとして課税の対象になっているので要注意です。一方、国民に一律に10万円支給された「特別定額給付金」「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」「子育て世帯への臨時特別給付金」は非課税のため申告不要です。
●また、国から個人宛に給付されたGo Toイートの利用時のポイントや食事券に対する25%のプレミアム分、Go Toトラベルを利用した旅行者への国からの給付分(旅行代金の1/2相当額)は一時所得となるが、課税対象金額は他の一時所得と合計したところから50万円を差し引き、更に1/2をするのでそれほど課税対象金額は増えません。
●コロナ禍で納税猶予された税金分は、猶予を受けた中間申告分や予定納税分と同じ年分の確定申告期限までとなります。
●令和2年度分は青色申告特別控除、基礎控除の金額に変更があります。即ち、基礎控除は38万円から48万円へ(原則)、一方青色申告特別控除は65万円から55万円へ変更となりました。但し、電子申告か、あるいは電子保存帳簿をしていれば、青色申告特別控除はプラス10万円が追加されます。
●PCR検査費用は、医師の判断の下で受けたのであれば医療費控除対象だが、自分自らの時は医療費控除対象外となります。
コロナ禍でも伸びている売上がないか調べる!
具体的には得意先と商品の中味についてよく調べる必要があります。
【得意先に対して】
イ. 昨年との比で、それほど売上金額が変わらない得意先がないかどうか。
ロ. 昨年後半以降、売上が回復している得意先はないかどうか。
ハ. コロナ禍以前よりも売上が増えている得意先はないかどうか。
ニ. 昨年後半以降も売上が落ちたままの得意先はないかどうか。
ホ. 得意先の売上順位に変動はないかどうか。
へ. 国内と海外との間で得意先の入れ替えがないかどうか。
上記で調べたことで、得意先のどこが強くてどこが弱いかがわかり、販売計画などもこれらの得意先の状況を考慮していく必要があります。
【商品に対して】
イ. 商品の売上順位に変動はあるか。
ロ. 新商品や定番商品は売れているか。
ハ. コロナ前と後で売れ筋商品にどう変更があったか。
ニ. 売れ筋商品の価格帯や購買層に変化があったのか。
ホ. 通販などのEC取引での売上が伸びている商品は何か。
商品の売れ筋状況を数値で把握し、これが今後の商品開発により正確な情報を与えるものでなければなりません。
*最後に、これらは主に2点(売掛先、商品)に絞って利益計画を作成し、計画・実行・評価・改善を検討しなければなりません。
顧用を守り、事業を継続する手段を検討する
●コロナ不況が世の中に蔓延しています。こんな状況下であっても、雇用環境の改善は国主導で刻々と企業に迫ってきています。
イ. 令和3年4月 ⇒ ・同一労働同一賃金制の中小企業への導入
・高年齢者雇用安定法の改正
ロ. 令和4年4月 ⇒ ・パワハラ防止関連法の中小企業への適用
ハ. 令和4年10月⇒ ・パートタイマーへの厚生年金の適用拡大
ニ. 令和5年4月 ⇒ ・月60時間超の残業に50%超の割増賃金を適用
●この辺のところに対応できない事業所は存続できないという憂き目に遭う事を
意味しています。
●コロナ禍で、休業や時短営業をせざるを得ない事業所は雇用調整助成金を上手に使っていかざるを得ません。
●ここではこんな状況下、事業所の生き残りをかけ、より市場性のある商品・サービスを探求し、その上で生産性を上げていかなければならない事になります。そんな中、経費の削減、役員報酬の減額、公的助成金の活用をして事業所全体に費用対効果の主旨を徹底させなければならなくなっています。
1月の特集
企業は社会の公器
― 自社の存在意義を再確認しよう ―
1、商いとは、売り手と買い手の両者が満足するのは当然として、更に社会に貢献しなければなりません。すなわち「社会」とは、具体的に ① 顧客 ② 社員(家族含)③ 経営者(家族含)④ 取引先 ⑤ 株主 ⑥ 地域社会 ⑦ 環境・資源 ⑧ 行政機関等の約8
種類の利害関係者を想定せねばならない。その中に会社はあります。
2、では、会社とは何か。改めて考えるに、企業とは社会の中での存在物であり、いわば社会の公器としての役割を担っているのである。という事は、常に社会が要請するものを供給せねばならぬという使命を帯びていると言っても過言ではありません。
3、では、中小企業はどうすれば良いか?!もちろん中小企業と言えども、社会の公器である事に変わりはありません。逆に大企業よりも小回りが効くので、社会のニーズに対し率直に耳を傾ける必要があります。現在、コロナ禍にありますが、社会のニーズが突然無くなると言う事はありません。ひとつひとつ探し出し、その中での過程で必ずや、その企業にとって社会に対し役務提供するべきものは存在するはずです。
4、急激な環境変化で当社は何ができるのか?!
コロナ禍の社会は以下の状況が考えられます。
①コロナ禍前の売上には絶対に戻らない
②衛生面での意識の高まりが違う
③非接触、非対面へ移行している
④デジタル化が急速に進む
⑤リモートによって、以前とは違う行動パターンが生じる
⑥以前の外国人観光客はもう戻ってこない
⑦人の移動に制限が加わる
⑧いわゆる客商売(対面商売)が廃る
⑨コロナ禍で、ひょっとすると新たなビジネスが生まれるかもしれない
では、中小企業はどうすればよいか?!
まずは、自社の現状分析をし、外部環境でチャンスとなるものがあるのか、マイナスになるものは何かを分けます。逆に内部環境で同様の分析をします。この分析の中で、当社の強みが出てくるかもしれません。そこを徹底的に洗い出しをする必要があります。言わば、ビジネスチャンスを掘り出す作業をするのです。同時並行で、アンケート、SNS、モニター等で反応を見る事が大事です。提供側とサービス等を受ける享受側との間でズレは必ず生じるので、いわば市場の声を聞く事は絶対に必要であります。
5、機会と強みを活かした戦略を考える
まず、コロナ禍の世の中では、自社の守備範囲内ですが、何が必要とされるか、そしてそれが必ずやニーズとして生みだされるものがあるはずです。そしてそれを一大目標にし、それに合わせて準備をし、仕組みを作り、人を作る事だと考えられます。
また、その事が他社(競争者)との違いを生み、結果的に常に他社を意識する事になります。顧客側にとっては、他のものより当社の提供物の方が良いと思うのは、比較からに拠るものであります。
全く新しいものが市場に提供されても、市場経済である以上、比較との問題は避けて通れません。市場に対し、当社の強み弱みがクリアになったとしても、それはある需要に対してだけであり、対象物(需要)が変われば全く逆になる可能性大…と言う事は視点を変えた分、発想を変えれば弱みにも強みにもなり、強みは弱みにもなるのです。
対象物の捉え方を変える必要有り
例えば、店舗経営の場合、自分1人で借りるのではなく複数人で時間帯に拠って
店舗を借りる事も可能だし、人の問題でも仕事をパターン化する必要があるが、同業他社で同一人物を時間帯別で雇う事も可能であります。
要は、1つの視点からものを見るのではなく、異なる観点からものを見る事が絶対に必要です。レストラン閉鎖でコックが余ったとなれば、コックを個人宅に派遣してフランス料理のフルコースセットを作ってもらうとかもひとつの方法であります。
急速にデジタル化が進む
書類のやり取りでなく、データ化した資料をやり取りする方向へと進んでいます。それは便利ですから。しかし、ここで一番の問題は情報の漏洩です。
情報をデータ化し、より一層便利さを追求するも、常にデータ化による情報漏洩はつきまとう。この負のコストをどこまで許容できるかで進化の度合いも変わってきます。
現在は、ハッカーといたちごっこをしているのが現状。社会全体としても、負の部分をどの程度まで抑え、そこの境目をどこまで低くするかで将来の進化がかかっていると言っても過言ではありません。